『はな』と『つぼみ』
自宅アパート前まで到着し、見上げてみると部屋の窓の明かりが消えていた。

もう眠ってしまったのか…。
俺は酷く安心した。
今、葉菜と顔を合わせれば、更に葉菜を傷付けてしまいそうだった。

朝起きたら葉菜に謝ろう。そう頭の片隅に走り書きしながら、葉菜の隣で眠りに就いた。


目を開けると、朝になっていた。その朝はいつもの朝と違う雰囲気を感じた。

いつもより明るい。
太陽が完全に目を覚ましている。

毎朝、葉菜が起こしてくれるのが日課。そのせいか少なくとも俺にとっては、すっかり置物と化してる目覚まし時計。それに目をやると、いつもの起床時間よりも一時間経過していた。
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