『はな』と『つぼみ』
合コンの後、連絡してきたのは以外にも葉菜の方からだった。

「あの、葉菜です。この間は楽しかったです」

「こちらこそ」

「あの…合コンの時にお借りしたハンカチ、お返ししたいのですが…。」

ハンカチ…?
一瞬何のことか忘れていたが、すぐに思い出すことができた。

あの合コンの日、大はしゃぎしていた湯月がテーブルのグラスを倒してしまい、カクテルが葉菜の服に掛かってしまった。

俺はハンカチを葉菜に渡した。さすがに会ったばかりの女の人の胸元を拭うのは気が引けた。

「そんなの気にしなくていいのに」

「そう言うわけには行きませんから」

ハンカチ一つで律儀だなと少しだけ吹き出してしまった。

「じゃ、明日の夜に。ついでに軽くご飯でも食べよう。」

この日を境に連絡を取り合い、二人で会ったりすることも多くなった。

そしてそれがさも当たり前のように付き合い始め、今では同棲までしている。

いつものノリで。
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