故蝶の夢
私、関西の人間ですけど、高校時代に見たマンガの影響で(確か米軍基地の兵士と女子高生の恋だった)南の島に憧れて、本土から離れた大学に入学したんです。

入学一週間前位に、一人ぼっちで現地に着いて、地図を見ながら不動産屋を探すが見当たらず。

渡航費用をケチって電話だけで契約したから、アパートも不動産屋も一度も来た事なかったんですよ。

迷いに迷って、暑さと疲労がピークに来た頃にやっと不動産屋発見!

ドアの前で契約書に書いてあるアパート名を確認。

"エレファントさかた"

私、山田。

−−エレファントさかたに入居する山田ですけど−−

よし、そう言って入ろう。

イメトレは大事ですよ。

そして勢い良くドアを開けました。

「すみませ〜ん!エレファント山田ですけど〜!」


−−!!!!−−


従業員「!?!?」

私「………あ…」

…失敗しましたイメトレ…。
多分、疲れてたせいです。

従業員「…あ、あぁ山田さんね。お待ちしてました。えーと、アパートはどこでしたっけね…」

そういって従業員は、にやにやしながら資料を取りに奥に行ってしまいました。

お兄さん、アパートはエレファントさかた、ですよ。そして私は山田です。決してエレファント山田は私のリングネームではございません。


従業員「じゃあコレがアパートの地図と鍵ね。後、電気とガスは明日から使えるようになるから今日は我慢してね。また何か困った事があったら電話してね。」


多分、連絡しないと思いますよ。恥ずかしいから。
そう思いつつ、エレファント山田、その場を去りました。



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