故蝶の夢
ドキドキです。

ついに生身の人間と喋ります。声が裏返りそうです。

それにしてもスーツ姿だと暑かったですね。初夏位の気温じゃないの?って思いました。地元じゃ軽いコート来てたのに
同じ日本でこうも違うんですね。

私、遅刻魔なんで結構ギリギリにホールに着いて、みんな座ってる中に入るん嫌やなぁと思ってたんですけど、ガラガラでした。この大学の人と気が合いそうです。


そして、自分の学部の席まで行くと……

…一目惚れしました。

ストレートゾーンど真ん中です!薄顔です!爽やかです!大好きです!

あまりにタイプだったので、意外とシャイな私は席を一つ空けて彼の左側に座りました。

あぁ…幸せ…この距離間たまりません。


段々席も埋まり始め、とうとう私と王子の間にも男が…。
チッ!邪魔しやがってこの色黒チャラ男め!
センチメンタル台無しです。

しかも、この男厄介でした。

私と、隣の女の子達がお互い自己紹介してる最中、突然声をかけてきました。

「ねーねー俺、北国出身で、この大学一人で来たんだけどさー、君、話し方から関西だよね?」


空気読めYO!

今、私、友達作りに勤しんでるだろう!?

隣の女の子達あっけにとられてます。

そいつにその場でドサンコって名付けました。心の中で。


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