下から見た景色
第一話
雨が強く降る冬の夕ぐれ。


公園の隅に置かれた段ボール。


僕は一人寂しく空を眺めてる。


空は灰色で冷たいなぁ


すると一人の園児が近づいてきた。


また近所の園児がイタズラに来たのかな?


段ボールを覗く園児…


園児「どうして一人で段ボールの中に居るの?お家はないの?」


園児はそういうと掛け走でママの元に行く…


今度は親子で段ボールを覗きに来た。


園児「ねぇママ…この子は何で一人で段ボールに居るの?可哀想だよ」


ママ「たぶん捨てられたんじゃないかな?」


園児「ママ!この子は目が凄く綺麗だよ」


ママ「あら!本当ね!珍しいぐらい綺麗な目」


園児「お家がないなら一緒に住んであげようよ」


ママ「ん〜ちゃんと面倒見れるの?」


園児「うん!ちゃんと面倒みるし、これからは御飯を残さず食べて片付けもする!だってこの子がウチに来たら太郎はお兄ちゃんになるからね」


ママ「分かったわよ!パパにはママから伝えるから連れて帰りましょう」


なんと!


ずぶ濡れで汚い僕を抱いて家に連れて行ってくれた。

人間って汚い人ばかりだと思っていたけどなんて暖かい家族なんだろう…


そして僕は太郎君の家に連れて行ってもらい家族の一員になった。
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