バスの中の恋
そう一言 





それを見た上條くんは小さく笑って





「こちらこそよろしく!」




「あっ、メールすれば良かったね」




そう言って笑ったので、つられてあたしも笑ってしまった 




少しいろんな話をした 




友達のこと 




自分のこと 




楽しかった…




「あはは、上條くんって思ったより面白いんだね」




「そう?」




「うん。だって初めて会ったときは無愛想っていうか、無口って感じがしたもん」




「初めて会ったとき?
どっかで会ったっけ?」




考えるように頭を捻る




あたし、何言ってんだろう…




上條くんはあたしのことわかる訳ないのに…




てゆうか、ずっと見てたってバレたらどうしよう…




「あっ、もしかして…」




「あっごめんなさい。訳分かんないこと言って…
気にしなくていいから…」


あわてて言う 




「えっ?でも…会ったよね?
確か…このバスできみが定期を落として…俺が拾った…そうだよね?」



思い出すかのように、ゆっくりと聞いてきた





あたしは小さくうなずく 




覚えててくれた…





嬉しい…


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