バスの中の恋
バスの中でブルーになった俺を見て、親友のアキラが言った





「ケーゴ、お前あの子に惚れただろ?」




ニシシっと笑って俺を見る



「うるせーよ。惚れたんじゃなくて、惚れてたの」




つい、白状してしまった…



「あはは、はははは…」




アキラは「バカじゃん」みたいな顔して爆笑した




俺は恥ずかしくて真っ赤になった 


ひとしきり笑ってから




「お前、ずっと片想いしてんの?
純情だねぇ〜」




遊び人のアキラは「ありえねぇ」って感じで笑った




こいつ、絶対バカにしてる



だんだんムカついてきた




「お前も本気で誰かのこと好きになれば俺の気持ち分かるよ」




アキラはいきなり真顔になり




「は?ゼッテェ嫌だね
本気で好きになることなんて俺には無いよ
一生」




「なんで?」




「なんでも」




「そうかぁ?
まだ出会ってないだけじゃないの?」




「知らねぇ」って顔してバスを降りる




あわてて俺も降り、アキラと学校に向かう


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