バスの中の恋
どうしよう… 



その言葉が頭の中をグルグルと回っていた 



バスがいつも通りにくる 



何も考えてないゆきは先に乗り、あたしはゆっくりとバスに乗った 




バスの中は少し混んでいてあたし達は長椅子に二人で座った 



「こんなに混んでるなんて珍しい」



そう思った



あたし達が座った所はあの人がいつも座る所の隣



ゆきは窓際に座りあたしは尚あの人の席と近くになった 



2つ停留所を過ぎ、あの人が乗るバス停が近づいてきた



ドキドキ、ドキドキ 



心臓が高鳴る 



「気付かなかった。あたしこんなにも好きだったんだ」



ふと、そんなことを冷静に考えている自分がいた



ついに、あの人が乗ってきた 



ちょっと混雑しているのを見て驚きながらいつもの席に座った 




「どうしたの?」



ゆきが聞いてきた 



「何が?」



聞き返す 



「だって、顔赤いよ」


ゆきは答えた


少し心配した顔をして… 


「大丈夫だよ。暑いのかな?」



笑って答える 




内心はドキドキが止まらなかったけど…

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