【1】トイレの王様
「ねえ、キラキラ光っているペンギンさん。貴方なら知っているでしょ? いつもそうやって、私の事を見ているんだから」

 ガラスのペンギンは胸を張って、律子の方を向いていた。
 角度を変えると、黄色いくちばしが僅かに緩んでいるように見える。

「何笑ってるのよ。私を馬鹿にしているのね」

 ピカピカのペンギンは答えない。

「わかったわ。貴方がその気なら、律子にだって考えがあるんだから」

 そう言うと、律子は辺りを見回した。

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