赤い糸

―秘密の場所

「…どこまで行くんだよ?」


「まだだよ、まだ目開けちゃダメ」


「わかったって」


目隠しをされたまま、移動する。


たぶん車の中。


「…着いた」


「目、開けていい?」


「まーだ!」


小さな手が俺の手を掴んで走り出す。


「ぅわ…っ、危ないって!」


「ふふ…♪」


坂道を駆けて、平坦なところに出る。


「開けていいよ」


そう言われて、目隠しを取る。


視界に入ったのは青空とボロい一軒家と―視線が近い、女の子。

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