君に届け。
冷たい床に寝転がり。
君の温かさがない事を淋しく感じるのです。

サクサクとキャベツを切る音がしないのを悲しくさえ思ってしまうのです。

あのトンカツはどのスーパーにも売っていません。僕はあのトンカツが食べたいのです。
君があげたトンカツを。


僕は気が付いたのです。
何かのためにいるのではなく、何かのお陰でここにいれるのです。
僕は君のお陰でここにいれるのです。
君が愛してくれたからここで愛を知る権利があり、君があげたトンカツを食べる事が出来たのです。

ただ君のお陰。その言葉を、君に届けたくて、僕は携帯のボタンを押すでしょう。
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