君に届け。
教室につくと友達に、いつもと同じ顔して「おはよう。」なんかいってみた。
いつもと同じ朝で、いつもと同じ顔して一日が始まった。

俺は席に座り、肩まで伸びた髪にクシをいれる。自分は女の子なんだと自覚を強くするために。

俺は負けた。
何に負けたのかなんて、わかりやしない。
わかるのは俺は女の子。
そして負けてるって事。

君に届けって叫んでも届かないって知っている。友達には俺の姿は届かない。
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