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「なつみってほんと、のろまよね」


と、さなちゃんは顔にかかった長い髪を耳にかける。


そして、ありがとと私の手からパンを取れば袋をあけて、はむと食べはじめた。


「さなちゃん、さなちゃん。食べ歩きは良くないのでは」


と、私はさなちゃんを見つめるがさなちゃんは不敵な笑みをうかべながら言う。


「まだ、歩いてないじゃん」

い、や、そうなんだけど、ね!なんて、心の中でつぶやきながら

まあ、言い返せないから笑ったこうと愛想笑いを浮かべた。
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