ツンツン事情
はあ…
何かもう…どうしたらいいかわかんねーよ。
俺今日ダメだな。
はずしてばっか。
「夏生でよかった。」
ポツリと呟くように言った菜瑠の一言。
「は?」
今、何て…
「ファーストキス…夏生で良かったなって。」
フフフと可愛らしく笑う菜瑠。
「それって…」
まさか…
やべ…すげーいい方向に考えちゃってるんだけど…
「あたしも好き!」
しっかりと目を見てニコッと笑って…
ダメ…もう、俺…
顔がにやける。
「まじで?」
「まじで!」
やべー…
「菜瑠…っ!」
ギュッと抱きしめた俺は嬉しさのあまり声が震えた。