ツンツン事情
「ねー夏生?A組の上山さんいるでしょ?」
歩いている途中、急に話題を変えた菜瑠。
「上山…ってテニス部の?」
なんとなく顔はでてくるが、ハッキリはわからない。
「うん、そう。何かね夏生のアド知りたいんだって?」
よくあること。
実際に俺のアドレスには顔と名前が一致しない女ばかりだ。
本当にこんなことしょっちゅう。
だけど何故か…
「教えるの?」
ふてくされてる菜瑠。
気のせいか…?
「んー別にどうでもいい。」
曖昧に返事すると菜瑠は
「じゃあ…教えないで?」
と立ち止まって言う。