4748日後のクリスマス
美菜Side
4748日前のクリスマス
「13年後の今日、もし美菜が来てくれるなら、この場所で会おう。
約束だから」
あの日の約束はいつまでも覚えていて、
同時に
雪の中で絡めた小指と、キョーちゃんの笑顔だけがずっと頭から離れなかった。
――
――――
「……うん、20日から冬休みに入るからさ、21日にそっちに帰るよ。
お母さん達にも言っといて」
12月下旬の寒さで携帯を持つ手が冷たい。
地元よりも東京の方が暖かいのがまだましだけど、でも大学が終わって帰ってきたばかりの部屋は寒すぎるのだ。
『はーい、気を付けてね。あ、お土産忘れないでよ。
ついでに原宿とかで服も買ってきてよ』
電話相手の、今年中二になった妹は、最近あたしにわがままになった気がする。
昔はお姉ちゃん、お姉ちゃんって可愛かったのになぁ…
「生憎、貧乏女子大生にそんなお金はありませーん。
また今度こっちに来ればいいでしょ」
『えー、お姉ちゃんバイトやってるじゃん!少しくらいいーでしょー』
< 1 / 73 >