4748日後のクリスマス
「……あ、俺ちょっとコンビに行ってくる」
家を出ると、キョーちゃんはあたしとおばさんに向かってそう言った。
「あらそう……あ、美菜ちゃんも行ってきたら?」
「え?」
「久し振りに近所でも散歩してみたらどう?」
おばさんはそう言って、にこりと笑ってみせた。
「あ…でも…」
迷惑じゃないだろうか。
そう思ってチラっとキョーちゃんを見ると、彼は気を使ってか、
「いーじゃん、暇なら来たら?」
…と、そう言った。
その折角のキョーちゃんからのお誘いを断るほど、あたしは馬鹿ではない。
「い、行く行く!」
そんなあたし達を見て、おばさんは安心したように笑った。
「ひ、久し振りだね。二人で歩くの」
東京よりも寒さが強い道も、キョーちゃんが隣にいるせいで、体は緊張して暑くなるばかりだ。
「あー、夏はお前忙しかったもんな。4日くらいしかいられなかったじゃん」
「うん、だから今回は前よりもいられるよー」
そういうとキョーちゃんはまた、そっか、と笑った。