4748日後のクリスマス
「でも中野先輩、全部無視っていうか…断ってるらしいよ?
美菜が気になってるからだったりして」
小夜子はニヤっと笑ってそう言った。
「それはないよ。
だって上京してから、キョーちゃんから連絡来たことないもん」
そう、キョーちゃんは一度も連絡をくれたことがない。
もし少しでも気にしてくれていたら、連絡のひとつくらいしてくれるだろうし。
「…あれ、そーいえばさ、美菜と中野先輩が約束した場所って、どこだっけ」
突然、小夜子は眉を寄せて聞いてきた。
「え?…えーっと、坂を少し登ったところにある、小さい公園だよ」
あたしがそう答えると、小夜子はなにかを考え込んでいた。
「なんかその公園あった気がするんだよねぇ…。なんだったかなぁ?」
「なにそれ。もしかしてお化けとか?」
それは困る。
第一、お化けなんてどうにもできないじゃないか。
「違うよ。なんかもっと現実的でー」
「現実的って何よ」
「うーん、まぁいずれ思い出すよ。ごめんね変なこと言っちゃって」