4748日後のクリスマス
「ふーん。キョーちゃん、もう二十歳過ぎてるんだもんねー。いーなー」
「まぁ美菜もあと少しじゃん。それまで我慢我慢」
そう言ってキョーちゃんはあたしに笑顔を見せた。
……ほら、完璧に子供扱い。
「……仕事の人って、女の人?」
「は?」
突然のあたしの質問に、キョーちゃんは不思議そうに聞き返した。
「声、女の人っぽかったから…」
「あぁ、事務の人。ちなみに年上だよ」
大して興味もなさそうにキョーちゃんは言った。
………モヤモヤする。
あたし、嫉妬してる。
その女の人にも、キョーちゃんにも。
今のあたしは、ひどい人だ。
「……キョーちゃん、あたしって子供?」
「え」
またもや突然のあたしの質問にキョーちゃんは驚いていた。
「どうしたの急に。
…まぁ、年下だし、子供っていえば子供じゃね?」
“年下”
やっぱり、キョーちゃんからみたあたしは、“年下”という言葉で割り切られていたのだろうか。
さっきの心のモヤモヤが更に強くなった瞬間、あたしは、
「キョーちゃなんて大っ嫌い!」
…と、キョーちゃんに向かって思ってもない言葉を口にしていた。