4748日後のクリスマス
「今日セールで安いんだって!でもお母さんは町内会の用事があるし…」
あぁ、だからあたしに、お母さんの代わりに着いてこいと。
だけど今のあたしにはそんな気力はない。
「面倒くさいよー。友達とか誘ったら?」
お気の毒な我が妹。
こんなお姉ちゃんですみませんね。
「友達は、彼氏とデートなの!お姉ちゃん、お願い!」
杏菜は顔の真ん前で手を合わせて、必死にそう言った。
そこまで言われると、あたしは絶対に断れないのに。
「……仕方ないなー。何買いに行くの?」
「えっとクリスマスプレゼントと、……お姉ちゃんへの誕プレ」
そう言って杏菜は照れたように顔を赤くした。
…まぁ、可愛い妹の為ということで、あたしは重い体を引きずりながら、急いで電車で街まで行った。
「あ、お姉ちゃんこれどう?
お姉ちゃん、マフラーが欲しいって言ってたでしょ?」
杏菜は赤いマフラーを差し出して、ニコニコと笑っていた。
「え、これくれるの?すごい可愛いじゃん、ありがとう」
あたしがそう答えると、杏菜は嬉しそうにレジで会計とラッピングをしてきた。