4748日後のクリスマス





「でもさー、誕生日がクリスマスって損だよねー。
小さい頃からずっとそう思ってたの」


杏菜がさっき買ってくれたプレゼントは明日渡してくれるということで、あたしと杏菜はファミレスでご飯を食べることにした。



「え、なんで?」

「だってイブに生まれたっていっても、クリスマスプレゼントと誕生日プレゼントが同じだったんだもん。
それに皆、クリスマスのことですっかり忘れてるんだもん」


あたしがそう言うと、杏菜は不思議そうに答えた。



「でも逆にさぁ、覚えてもらいやすいじゃん。一回覚えたら忘れないよ」


「そうかなぁ…」



…確かにそうかもしれない。

でも、やっぱりクリスマスの方にいっちゃうんだろうなぁ…



「あ、もう9時過ぎてる。杏菜明日まだ学校でしょ?帰ろっか」


そう言って急いでファミレスを出ると、

「あ、キョーちゃん」

…と、杏菜が声を漏らした。



「え、キョーちゃん?」


杏菜の視線をたどってみると、ファミレスの向かい側にあるジュエリーショップに、キョーちゃんの姿があった。



…女の人も一緒に。


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