4748日後のクリスマス


…確か今日は、仕事の人と飲みに行くんじゃなかったっけ?


「き、きっと、偶然会っちゃったみたいな感じだよ!」


杏菜は焦りながら必死にあたしを説得しようとしていた。

だけど、キョーちゃんが女物のアクセサリーを買おうとしてたってことでしょ?
それに随分親しげに見えるもん。


「…帰ろっか」

「え?」



もう、キョーちゃんに『大嫌い』と言った時点で、キョーちゃんが約束を忘れていた時点で、あたしの恋は終わってたんだ。

約束なんかに頼ってるあたしがばかだったんだ。






―――それから直ぐにあたしと杏菜は家に帰って、あたしは部屋に閉じこもった。


暫くベッドの上でうつ伏せになっていると、マナーモードになっている携帯がブーッブーッと振動した。


…小夜子から電話だ。



「もしもし、小夜子?」

『あ、美菜ぁ!?良かった』


電話越しの小夜子の声はいつもと違って、かなり焦っているようだった。



『美菜が中野先輩と約束したっていう公園、もうすぐ取り壊しになるんだよ!』



―――え?




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