4748日後のクリスマス
近所に住んでいる、幼なじみの中野京平(なかのきょうへい)。
あたし、川瀬美菜(かわせみな)は彼をキョーちゃんと呼び、小さい頃を思い出すと、いつもキョーちゃんの後をついていた気がする。
それくらいあたしは、小さい頃からキョーちゃんが大好きだったのだ。
二歳年上のキョーちゃんは、あたしにとってすごく大人で、いつも一枚上手だった。
最初はそんなキョーちゃんを誇りに思っていたけど、
だけど次第に、たった二歳のその差が嫌で、いつの間にか嫉妬心に変わっていた。
そして、キョーちゃんに守られてばかりのあたしが、彼を守りたいと思ったのは、あたしが6歳でキョーちゃんが8歳の時だった。
キョーちゃんの両親が離婚して、彼の家が母子家庭になったとき。
キョーちゃんは誰よりもお父さんを誇りに思っていて、同時に憧れだった。
なのに離れ離れになって、その時のキョーちゃんは誰から見ても、悲しそうだった。
だからあたしが守ろうと決めたすぐ後に、キョーちゃんがあの約束をしたのだ。
…どうせそれは、子供の頃の思い出のひとつなんだろうけど。