4748日後のクリスマス
「あの、ひとつ聞いてもいい?」
「なに?」
あの約束のことで、あたしはどうしても聞きたいことがあった。
「なんで13年後なの?
…プロポーズなら、普通16歳のときとかじゃない?」
あたしがそう言うと、キョーちゃんは顔を真っ赤にして言った。
「……あの時は、大学なんてわかんなかったから高校卒業したらもう社会人だとか、
社会人になったら結婚できるとか思ってたんだよ。
それにプロポーズするなら、美菜の誕生日がいいかと思って。丁度クリスマスイブだし」
……なるほど、それで高校卒業したあとの、19歳の誕生日、つまり13年後のクリスマスというわけか。
「俺さ、高校卒業したらすぐに働く予定だったから、それで給料すげー貰って、美菜を幸せにしようとか思ってたんだけど…」
そう言ったキョーちゃんの顔はさっきよりも真っ赤だった。
「…あたし、そんなこと全然知らなかったよ…」
「いーよ、知られてたら超恥ずいし」