4748日後のクリスマス
キョーちゃんはずっと、この約束を覚えてたんだね。
あたしだけじゃなかったんだ。
「キョーちゃん、あたしキョーちゃん好きだよ。
キョーちゃんは?」
あたしがそう言うと、キョーちゃんは眉を寄せて、
「なんで恥ずいこと言わせんだよ」
と呟いた。
「だってあたしずっと片思いだと思ってたんだもん。
ちゃんと言われなきゃ、わかんない」
なんでもいいから、証拠が欲しかったんだ。
キョーちゃんがあたしを好きということを、実感したかった。
自惚れじゃないと、思いたかった。
「好きだよ。
ずっと前から、多分美菜よりも好きだね」
「ちょっと、あたしの長年の想いを甘く見ないでくれます?」
そう言ってあたしとキョーちゃんは笑った。
「…美菜、これ」
キョーちゃんから渡されたのは、リボンで結ばれている小さな箱だった。
「美菜へのクリスマスプレゼントと、誕生日プレゼント」
「…開けていい?」
キョーちゃんに了承をとって箱を開くと、それは、指輪だった。