4748日後のクリスマス
「え、これって…」
「エンゲージリング。
俺が職場の人といるとこ、美菜見てたんだって?
杏菜に言われて驚いたよ。誤解されたら、まじで困るし。
これ選ぶの、付き合ってもらってたんだ」
…そうだったんだ。
嫉妬してた自分が恥ずかしい。
というか、杏菜、ありがとう。
あたしが指輪を眺めていると、キョーちゃんはまっすぐあたしを見た。
「美菜、……俺と結婚してくれる?」
真っ赤なキョーちゃんの顔は、きっと一生記憶に残るんだろうね。
「……うん」
あたしもつられて真っ赤になった。
「え、まじで?」
「まじだよ。
でもあたし、大学あるからあんまり会えないけど…」
「いーよ東京なんて近いじゃん。会いに行くし」
「でもあと3年くらいは、今までとあんまりかわらないよ?」
「10年以上待ったんだから、3年くらい屁でもないね」
「…汚いよキョーちゃん」
「うっせ」
「……キョーちゃん、会えない分、不安になることだって、させることだってあるよ」
「でも美菜は俺と結婚してくれるんでしょ?」