4748日後のクリスマス
京平Side
13年前の誕生日
「13年後の今日、もし美菜が来てくれるなら、この場所で会おう。
約束だから」
そう言ったのは俺の方で、
その約束を笑顔でうけてくれたのは美菜の方だった。
だから俺も
つられて笑顔になったんだ。
――
――――
「ごめんね京平。お父さん、もう帰ってこないのよ」
突然母親にそう告げられたのは、美菜の誕生日つまりクリスマスイブの、丁度一ヶ月前に美菜への誕生日プレゼントを買った直後のことだった。
「…そう」
母親に返した返事は、ひどく冷たい声だった。
そして無意識に右手に持っていたプレゼントを握り締めていた。
その時のはまだ幼かったけど、幼いながらにも、薄々は気づいていた。
もう一年以上は、両親の間で口論が続いていた。
父親は思い詰めたように俯き、母親は泣いてばかりだった。
それでも父親は、休日は勿論、暇さえあればいつも俺の相手をしてくれた。
だから俺は誰よりも父親を尊敬していたし、父親が大好きだった。
二人の間が悪くなって半年が経った頃には、とうとう何も話さなくなっていた。