4748日後のクリスマス
だからだろうか、いつかはこうなるんだろうと、ずっと頭の中で思っていた。
そして二人が離婚して、父親がいなくなったとき、本当に悲しかった。
だけど、不思議と涙は出てこなかった。
ただ、何に対してもやる気が起きなくなっただけ。
きっと、泣いても父親は戻ってこないことがわかっていたからだ。
そんな時、両親が離婚してから少しの間遊ばなくなっていた幼なじみの美菜が、突然俺の元にやって来て言った。
「キョーちゃん、一緒に遊びに行こうよ」
満面の笑顔で美菜は言った。
美菜の笑った顔は好きだったけど、その時は見るだけで辛かった。
「…美菜一人で遊んでこいよ」
「鬼ごっこは一人じゃできないよ」
「二人でもつまんねーよ」
俺が吐き捨てるようにそう言っても、美菜は諦めることなく俺を誘い続けた。
「じゃあかくれんぼしようよ」
「鬼ごっこもかくれんぼも一緒だよ!
俺なんかどーだっていいから」
もう耐えられなくなってそう怒鳴ると、美菜は泣いた。
「どーだっていいわけないよ」