4748日後のクリスマス
3日前
「は?お前まだ付き合ってなかったの」
12月21日
約束まで後3日。
仕事が休みということで、仕事仲間兼昔からの悪友の宏樹の家で遊んでいるとと、突然、目の前の宏樹がそう言った。
「付き合ってねーけど…なんで」
「いや、ずっと仲良かったじゃん。もうとっくに付き合ってんのかと…」
宏樹の言うように、もしそうなっていたらどんなに嬉しいことか。
でも現実は、甘くない。
夏休み、やっと美菜が帰ってくると思ったら、レポートやらバイトやらがあるとかで、少しの間しかいなかった。
それも、丁度それがお盆だったから忙しくて、会ったと言っても顔を会わせる程度だった。
「まー頑張れよ片想い!」
宏樹は満面の笑みを浮かべて、ポンポンと俺の肩を叩いた。
「……お前も彼女にフられないように頑張れば」
宏樹の行動が少し頭に来た俺は、ありったけの嫌みを込めてそう返してやった。
――宏樹の家から家に戻ると、いつもより外見に気を使った格好をしている母さんの姿があった。
「……なんかあんの?」
母さんの様子を不思議に思った俺は、思いきってそう聞いた。