4748日後のクリスマス
どこがだよ。
思わずそう心の中で叫んだ。
百歩譲って顔はいいとしても、性格なんて最悪だ。
「ふふ、美菜ちゃんてばすごくいい子ー。
京平とは大違い」
ほら、こうやってからかって楽しんでんだよ。
単純な俺は眉を寄せて、母さんを思い切り睨んだ。
「美菜ちゃん、大学どう?楽しい?」
俺を除いた皆がわいわいと食事をする中で、ふと母さんが美菜にそう聞いた。
それは、少し俺も気になっていたことで。
「あ、楽しいですよ。授業だってそれほど多くないし」
「でも一人暮らしって怖くない?最近物騒だし…」
あぁ、確かに。
美菜は昔から暗いところが苦手だし、夜道を歩くだけでも大変だった。
一人暮らしなら、尚更だろう。
「でも美菜ちゃんが元気そうでよかったわ」
そう言って母さんはふっと笑みをこぼした。
まあ、元気そうでよかったけれど。
もし元気じゃなくて何かで落ち込んでいたら、「大学を選んだのはお前だろ」と、美菜を責めてしまいそうだから。