4748日後のクリスマス
2日前
「…何かお前、見てて可哀想になるんだけど」
――翌日、職場の工場の外で昼食をとっていると、宏樹は俺に向かってそう言ってきた。
12月22日
約束の日まで後2日。
「うるせ」
「いや、つーかお前ほんと不器用だな!後もう一息ってとこでさ、…あーもう!俺が京平と変わってやりたい!」
目の前にいる宏樹は、ぐしゃぐしゃと頭をかきながらそう言った。
「全然もう一息じゃねっつの。もういいし、このままで」
そう言って売店で買った弁当の中の玉子焼きを口に含むと、その玉子焼きは味気なかった。
「とか言ってさ、言ってることと思ってることは真逆なくせに」
にや、と意地悪そうに笑う宏樹の言葉に、俺は全くその通りで、返す言葉がなかった。
壊れるくらいなら、いっそのことこのままでいい。
…なんて人はよく言うけど、とりあえず出来る限りのことをやらないと、俺の場合はそんなことは言えない。
「あ、中野くん。よかった、ここにいたんだ」
宏樹に、うるせーと言いながら笑っていると、事務で働く斉藤さんが俺達の元に駆け寄ってきた。