4748日後のクリスマス
「でも、約束の場所には行くんでしょ?信じてたらきっと来てくれるよ」
斉藤さんはそう言って爽やかな笑みを見せた。
「そーっすかね。とりあえず頑張ってみますけど」
斉藤さんの助言は、かなり安心する。
…やっぱり、何でこの人と宏樹なんかが付き合ってんだろ…。
「そうだ、何かプレゼントしてみたら?
折角のクリスマスなんだし、美菜ちゃんの誕生日なんでしょ?
きっと、特別な日になると思うし」
…実は、斉藤さんが言った様に、美菜に何かあげようとは思っていた。
ただ、何をあげたらいいかが決まっていないんだけど。
「一応あげるつもりですけど…何あげたらいいんすかねー」
「え、何、京平困ってる?じゃーさ、やっぱアレじゃね?プロポーズっつたらさ、指輪でしょ。エンゲージリングってヤツ」
珍しくまともな意見を出した宏樹に、俺と斉藤さんは目を丸くして驚いた。
成程、エンゲージリングか。うん、美菜に渡すならそれがいい。
「まぁ、一人で買いに行くのも恥ずいだろうから、俺がついて行ってやってもいいけど?」
「いや、そっちの方が恥ずいから」
何が虚しくて男二人で指輪を買いに行かなくちゃならないんだ。
「あ、じゃあ、私ついていこうか?少しなら役に立てるかも」