4748日後のクリスマス
それは、店員の表情を見ればすぐにわかる。
だけど美菜には、一番これが似合う。
「これ、ください」
店員にそれを差し出すと、彼女は快く承ってくれた。
「美菜ちゃん、喜んでくれるといいね」
斉藤さんは、そう言って本当に嬉しそうに笑ってくれた。
その指輪が、予想外に高かったけど、珍しく俺は奮発した。
当分は、金を使わないようにしよう。
「今日は本当にありがとうございました。結局、こんな時間になっちゃって」
指輪を買って店を出たものの時間はかなり経過していて、斉藤さんとファミレスに寄って、時間はあっという間に10時は過ぎていた。
それから車で斉藤さんを家まで送って、時間は11時近く。
「いいよ、私も楽しかった。またね」
やっぱり、斉藤さんはすごくいい人だ。
――
――――
家に着いたのは丁度11時。
いつもより疲れた俺は、直ぐ様ベッドに倒れ込んだ。
ズボンのポケットに美菜への指輪が入ったままだったから、寝心地は悪かったけど。
家のインターホンが誰かによって連打されたのは、それからすぐのことだった。