4748日後のクリスマス
「お姉ちゃんも見たの。
多分、お姉ちゃん勘違いした。あの女の人、彼女だって思っちゃってるよ!
あの女の人誰!?
キョー兄ちゃん、お姉ちゃんが好きなんじゃないの!?」
杏菜はかなり焦っていて、声の音量は加減できていなかった。
…そんなの、好きに決まってる。
決まってるけど、頼むからそんな大声で言わないでくれ…。
「彼女じゃねーよ、ただの同僚。美菜へのプレゼントを選んでただけ。
美菜、家にいんの?」
多分今の時間ならまだ起きてるだろう。
できるだけ早く美菜の誤解を解かないと。
杏菜を落ち着かせて静かにそう聞くと、杏菜から帰ってきた言葉は思ってもみない言葉だった。
「それが、お姉ちゃんさっきどこかに行っちゃったの。もう遅いのに…」
「は?」
時計を確認すると、11時半を回ったところ。
こんな時間に外を歩いているのは危険すぎる。
まさか…
「とりあえず、杏菜は家に帰れ。おばさんが心配すんだろ。俺は美菜を探してくるから」
そう言って杏菜を直ぐ近くにある家まで送り、急いで走って美菜を探し始めた。