4748日後のクリスマス
思い当たる場所なら、無いわけじゃない。
今、俺の頭に浮かんでいる場所は、美菜と約束をした、あの場所だ。
だけどあの公園はもうすぐ取り壊しになる。
まだ工事は始まっていないけど、立ち入り禁止になっているはずだ。
そんなところに入るなんて、危険すぎる。
――俺は今までに無いくらい全速力で走った。
…あの、公園まで。
――
――――
必死に走り続けて、ようやく公園の入り口まで着いた。
息を整えるために立ち止まると、一気に寒さに包まれて。
…そういえば俺は、今かなり薄着だ。
寒いと思いながらも、『立ち入り禁止』と書かれた看板を避け、公園に入る。
そこには、会いたいと、そう思う人の姿があった。