4748日後のクリスマス
「……美菜はさ、あれがプロポーズだってこと知ってた?」
「へ」
またもや美菜は間抜けな声を出す。
…まぁ、当然か。
「プ、プロポーズって…
誰が、誰に?」
「俺が美菜にだよ。
超恥ずかったんだよあれ。まーはっきり言わなかったのが悪いんだけどさ…」
というか、その恥ずかしい出来事を暴露する俺って、どうなんだろう。
かなり自滅じゃないか。
「あの、ひとつ聞いてもいい?」
「なに?」
美菜はそんな俺に気付きもせず、質問してきた。
「なんで13年後なの?
…プロポーズなら、普通16歳のときとかじゃない?」
…それは、俺が一番言いたくないことだ。
言いたくなくて口を閉ざしていたのもつかの間、美菜の視線に耐え切れなくなった俺は、とうとう口を開いてしまった。
「……あの時は、大学なんてわかんなかったから高校卒業したらもう社会人だとか、
社会人になったら結婚できるとか思ってたんだよ。
それにプロポーズするなら、美菜の誕生日がいいかと思って。丁度クリスマスイブだし」
今の俺、絶対顔は真っ赤だ。超カッコ悪。