4748日後のクリスマス


「俺さ、高校卒業したらすぐに働く予定だったから、それで給料すげー貰って、美菜を幸せにしようとか思ってたんだけど…」


「…あたし、そんなこと全然知らなかったよ…」


「いーよ、知られてたら超恥ずいし」


さっきよりも真っ赤になった俺を見て、美菜は静かに笑った。

そして、思っても見ないことを口にして。



「キョーちゃん、あたしキョーちゃん好きだよ。
キョーちゃんは?」


…なんて、一番嬉しい言葉だけど。だけどなんで俺にまで聞くんだよ。


俺はは眉を寄せて、

「なんで恥ずいこと言わせんだよ」

と呟いた。


すると美菜はさっきよりも強めに、

「だってあたしずっと片思いだと思ってたんだもん。
ちゃんと言われなきゃ、わかんない」

…なんて言い始めて。


だったら、言わないわけにいかないじゃないか。



「好きだよ。
ずっと前から、多分美菜よりも好きだね」


「ちょっと、あたしの長年の想いを甘く見ないでくれます?」



この時、初めて俺は幸せ者だと思った。


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