4748日後のクリスマス
「…美菜、これ」
指輪の存在を思い出した俺は、急いでズボンのポケットから小さな箱を取り出した。
「美菜へのクリスマスプレゼントと、誕生日プレゼント」
「…開けていい?」
遠慮がちに聞く美菜に俺は軽く頷いて、美菜の反応を見ていた。
…喜んで、くれるだろうか。
「え、これって…」
箱の中に入った物を見て、美菜は俺の予想通り驚いていた。
「エンゲージリング。
俺が職場の人といるとこ、美菜見てたんだって?
杏菜に言われて驚いたよ。誤解されたら、まじで困るし。
これ選ぶの、付き合ってもらってたんだ」
そう言うと美菜は安心したように笑って、俺はそんな美菜を真っ直ぐ見て、言った。
「美菜、……俺と結婚してくれる?」
その時の俺の顔はすごく真っ赤で、
「……うん」
そう答える美菜の顔もすごく真っ赤だった。
…というか、今、うんって言った?
「え、まじで?」
本当に、結婚してくれるなんて。
これが嘘だったら、俺はどうなるかわからないくらいだ。