4748日後のクリスマス
「で、でも、キョーちゃんも仕事で疲れてるんじゃない?
だからまた明日とか…」
「明日なんて仕事だよー。だから今日行くしかないでしょ!」
「でもほら、折角の休日を邪魔したら悪いし…」
数分間の言い合いの後、とうとうあたしのその頑固さにしびれを切らした杏菜は、不満そうに話すのを止めた。
とりあえず、一安心。
…と思ったら、隣であたし達の様子を見ていたお母さんが、
「あら、京平くんなら夜来るわよ。
今夜の夕飯に、中野さん呼んどいたから」
…なんて、あっさりとそう言った。
そ、そんな…
「あ、あたし友達に夜呼ばれててさー」
「断りなさい馬鹿。折角中野さんが来てくれるって言うんだから。友達とは昼間でも遊べるでしょ」
…どうやらこのオバサンは、あたしの気持ちをわかってくれないらしい。
あたしだって会いたいけど、でも気まずいんだから。
…どうか、ずっと夜が来ませんように。