4748日後のクリスマス
「……一応言っとくけど、なんも悪いこととかしてねーからな」
一応、の部分を強調して、キョーちゃんは目を細めた。
…じゃあやっぱり実力で!?
「俺らが受かったのは、工業科の方だよ」
あたしの思考が読めているのか、呆れたようにそう言った。
……え、工業科?
北高の工業科といえば、普通科とは打ってかわって、偏差値はかなり低い。
近隣の高校の中でも、下から数えた方が早い。
……失礼だけど、それなら二人が受かったのも納得。
「そ、そうなんだ…」
「ははっ、俺らが普通科に受かったら地球滅亡するっつの」
……でも、あたしは一応普通科にいく予定であって。
キョーちゃんが工業科に行くならば、同じ学校に通う、という願いは消え去った。
「……じゃあ、美菜も北高くれば」
そんなあたしの心をまた読んだのか、キョーちゃんはそんなことを言ってきて。
「………は」
「美菜なら普通科、余裕で行けんじゃん」
キョーちゃんの言う通り、あたしは先生に北高の普通科を勧められていて。
合格確実、とまではいかないけど、頑張ればきっと、いけないことはない。