4748日後のクリスマス


「こっちこそいつもご馳走になっちゃって…。
それにしても美菜ちゃん、きれいになったわねぇ。」


「えっ」


いきなりおばさんにそう言われたあたしは、お世辞だとわかっていても、照れてしまった。



「そんなことないですよ。おばさんも相変わらずきれいで」


これはお世辞ではない。

こんなにきれいな人からキョーちゃんが生まれたと言われれば、誰だって納得できる。



「ふふ、美菜ちゃんてばすごくいい子ー。
京平とは大違い」


さっきのあたしのように、突然話に出されたキョーちゃんは、眉を寄せて不機嫌そうにした。


「そんなことないわよ、相変わらず京平くん格好いいじゃないー!
ささ、ご飯にしましょー」


お母さんのその言葉で、キョーちゃんとおばさんは、家に上がった。





「美菜ちゃん、大学どう?楽しい?」


みんなでご飯を食べていると、おばさんが興味津々そうに聞いてきた。


「あ、楽しいですよ。授業だってそれほど多くないし」

「でも一人暮らしって怖くない?最近物騒だし…」


確かに、怖いときもあるけど、でもそんなのは慣れだ。

今ではもう、それが日常になっている。


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