梟~幼少編~
「その、頼みとは…」
「率直に言う。梟悦の教育係になってくれ」
「きょっ、教育…」
「梟悦は学校に行かないんだ。だから専属で教える人間が必要なんだ。頼む!翼飛!!梟悦の教育係になってくれ」

威白は翼飛に深々とお辞儀をした。

「威白さん頭をあげてください!貴方が俺にすることじゃない」
「で、どうじゃ?翼飛。引き受けてはくれぬか?文武両道の主なら出来ると思うのじゃが」

翼飛はその言葉に怪我を押さえ俯いた。

「俺は、無理です。尚偉の事が…」
「わかっておる。そのことは重々わかっておる。じゃから、主には立ち直って欲しいのじゃ。新しいことに挑戦してみるのも心の励みになるじゃろ?」

「その…。今日中に返事っていうのは無理です。心の整理が…」
「うむ。近いうちに返事をしてくれることを待ってるぞ」

そう言って三人は別れた。
< 10 / 70 >

この作品をシェア

pagetop