梟~幼少編~
「我儘だな。お前。父さんを困らせて」

あまりの我儘ぶりに翼飛は呆れながら言った。

「うるせー。ばーか」
「梟悦!!何ていう事を言うんだ!!」

馬鹿と言う言葉に翼飛はピクッと反応し梟悦をギロッとにらんだ。
梟悦もさすがに翼飛の威圧に圧倒され少し体が自然とひいた。

ふわっ

いきなり梟悦の体が宙に浮いた。

「お父さんを困らせて楽しいか?こら」

目にも止まらぬ速さで翼飛は梟悦の襟を持ち持ち上げていた。
無論、梟悦は暴れだした。

「離せーーーーー」

あまりにも激しく暴れるのでさすがの翼飛もよろけてしまった。

ドカ

「うっ」

梟悦の足が怪我している翼飛の左腕に当たり、翼飛は痛みでつかんでいた梟悦の襟を放した。

「わっ」

翼飛は左腕を押えた。

「大丈夫か?翼飛」
「ええ。大丈夫っす」

落ちた梟悦も起き上がり翼飛の元へ駆け寄った。

「大丈夫?僕蹴っちゃった…」

その行動に翼飛の頭は混乱した。


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