梟~幼少編~
台所で一服したところで二人は翼飛の部屋へ向かった。(梟悦の場合連れて行かれたの方が正しい…)
部屋に入ると翼飛は抱きかかえていた梟悦をベッドの上に投げつけた。

「待ってろ」

そう言って翼飛はどっかに行ってしまった。
辺りを見回すと綺麗に整頓された棚や机が並べられ、壁には民族服がかけられ、武隊に所属していることがわかった。

「今日からこの部屋に寝泊まりしてもらうぞ。隣の部屋が片付くまでな」

翼飛は梟悦の荷物を持ってきた。

「何で学校に行きたくなかったんだ?」

翼飛は荷物を片付けながら梟悦に聞いた。

「先生が嫌だったか?」

梟悦はビクッと反応した。まさか正解を言い当てらるとは思っていなかったからだ。

「俺もさ、学校行きたくないときあったよ。先生が嫌でさ。
この村にはいないけど大先生ってい言う先生がさ俺をいじめてくんの。
出来ないと殴ってきてさ。体罰なんてしょっちゅうだった。
だからさ俺はあの先生を見返してやろうと思って勉強を頑張って首席とったわけ。
お前もさ、悔しいと思ったらそういう気持ちにならないと。閉じこもってちゃ相手に馬鹿にされる一方だぜ?」
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