梟～幼少編～

銭湯

「よし、今日はここまでにするか。ところでだ、実はうちの風呂が壊れてしまった。と言うことで、今日は銭湯に行く」
「銭湯？？」
「大衆浴場だ」
「ふーん。面白そう」
「面白くないから安心しろ」

そう言って二人は銭湯に向かった。

「子どもと大人一人ずつ」
「30文ね」

お金を払い、服を更衣室で脱ぐ。

「よくひ～～脱げないぃ～～～」

頭が洋服の襟もとに引っ掛かり梟悦が暴れていた。

「何やってんだお前は～」

翼飛が脱ぐのを手伝った。
ようやく脱げた梟悦はフぅっと深呼吸をして服を棚の中に入れた。
その様子を見ていた翼飛の目にあるものが入ってきた。

「梟悦。それは何だ？」

翼飛が指差したのは左肩にある刺青だった。
その刺青はフクロウに似せた模様だった。初めて一緒にお風呂に入るため今まで気がつかなかった。

「これ？わかんない。気がついたらあった。よくひは無いの？こういうの」
「…」
「じゃ、よくひお先に～～」

そういって梟悦は走って中へ入っていった。