梟~幼少編~
女性はヨーロッパの民族衣装のような服を着ていた。このような類の服を着るのは舞族なのだ。

「なんで武族の村に?」
「李威白さんに用がありまして。」
「威白に…?」

威白という名を聞いた瞬間龍峰の顔つきが変わった。
「あんたも威白目当てか…。」

よく言うとがっかりしている。

「私は威白さんに落とし物を届けようと」
「落とし物?」
「これです。」

女性の手には小さな巾着袋が乗っていた。

「彼が走り去るときに落としていくのをみたんです。」「何が入ってるんだ?金ならもらっとけ」
「そんな事は…。」

龍峰は巾着を奪い取るように女性の手から取り、中身をみた。

「これは…。」

龍峰は驚いたように巾着を投げ捨て、女性の手を引いた。
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