犬旋風
出会い
雪が降る
溜まりに溜まった水溜まりは、薄い氷をはり、寒さを強調していた
また、新しい年を超そうとしていた
友達との今年最後の言葉を交わして、今現在は学校帰り道
今年も色々あったな、と、寒さに息が白くなる景色を眺めていた
いろいろとあった今年に、長い長い溜め息がこぼれる
「なに溜め息なんかしてんだよ」
友達の…というか隣りの家の梶原 狼【カジワラ ロウ】があきれた顔で話す
「…別にたいした事はないんだけど、なんか今年もいろいろあったなぁって」
「まぁ、いろいろあったけどさ。それにしては溜め息長すぎだよ」
「……もううるさい」
「へいへい」
赤くかじかんだ手をさすりながら、足元にあった石ころを蹴飛ばす
こんな事が毎年の日常
こんな、ありふれた情景は今だからこそありうるものだと、この時はまだ気付きもしなかった
昔の時代なんて今には関係のない
社会なんて、将来何の役に立つ?
そんな事を毎回思う社会の授業
今までで一番いらない教科だと思っていた今の【私】
そして社会をバカにするとキレる私の隣りにいる梶原 狼