犬旋風
「で、今日は何用で?」
「もちろんコーヒーだよ、なんかめっちゃ寒くて飲みたくなったんだ」
「わかった、椎愛ちゃんは?」
なぜだか、椎愛ちゃんと初めて呼ばれたのに懐かしく感じる
私はメニューを見て、ふと目に止まったものを頼んだ
「眠りの狼で」
「眠りの狼?なんじゃそら?」
横にいる狼が不思議そうに首をかしげてマスターに言った
「なんか最近入った珍しい飲み物らしいんだけど…俺も飲んだ事ないからな」
「うげぇ、椎愛そんなの飲むのかよ」
「うっさいわね、とにかく何にでもチャレンジする前向きな心も大切よ」
「そーだけどさー、名前事態どんだけ?って感じじゃんか」
「あんたの名前が入ってるけどね」
「あ、そっか」
ポツリと今気付きました、みたいな顔でメニューを覗く
「はい、お待たせ」
「ありがとさん、やっぱりあったけーな!!香りもいいし」
「こちらこそありがと」
マスターはお辞儀をペコリとする