犬旋風


「ん……?」


ギラギラと熱い光が照りつけ、寝苦しさに私は少し呻く

そして、はっと気が付いたように起き上がると不思議な光景が目に入った

「……ここどこよ」

見た事あるようなないような、不思議でのどかな景色が広がっている


あのコーヒーを飲んだ後、私はたしか意識をだんだんと失っていって…


その後をいまいち覚えていない

どうなったのだろう?


格好はその時のままだ


ほっぺたを思いっきりつねってみるが、鈍い痛みが走り、現実だとわかる

「…一体何があったのよう!?」


そう叫んだ時だった

「誰かいるのかぁ?」


この声にはなぜか聞き覚えがあった

ガサガサっと茂みが揺れて、中から犬が一匹飛び出してきた


「い…犬!?」

いやいや、さっきの声は一体?


「どこキョロキョロしてんだよ、目の前にいるじゃんかー」


今、絶対この犬喋ったよね!?




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