【番外編集】オレンジ色の奇跡
大輔を問い詰めた次の日からずっと、俺は帽子を目深に被って啓輔の周辺を調べはじめれば。
昔の俺達みたいな状況に陥っていること、啓輔はそれから逃げ回っていることが分かった。
「なぁ、晴樹。最近、バイト増やしたのか?」
「あ?」
「だって、ほら。忙しそうだからさ」
電話を終えたサクが緑茶を飲みながら、俺を見る。
何なんだよ。
勘が良いんだか、悪いんだかはっきりしろよな、ったく。
「別に」
「そうそう!未和がうさぎ探してくれるってさ!」
「あー、はいはい。良かったですね」
「何だよーっ!他人事みたいに言うなよっ」
「だって俺が壊したんじゃねぇし」
「そうだけどさっ!……嘘ついてたのは一緒だろ?」
「俺は俺で、舞希のために動いてんだよ」
携帯を操作しながらそう言えば、ポカーンとした表情のサクが目に入った。
そんなサクを無視して、部屋に入りながら携帯を耳にあてる。